珍獣ヒネモスの枝毛

全部嘘です

どうせこんな日記誰も見てないだろう。だから昨日みたいな悪口も書けるのだ。この部屋は憂鬱を満たしたコップのようだ。そこで1人ソファーに転がる私は、ティーパックから紅茶が溶け出すみたいにモヤモヤを放出している。やがてわたしのどんよりとした気持ちが憂鬱と混ざって部屋に充満する。窓からは柔らかな秋の光。ふと天井を見ると蜘蛛がいた

 

なにもかもうまくいかない気がする。気がするだけ。実際はわりと順調だ。でも目に入れなくて良い情報をわざわざ見に行って落ち込んでいる。小説だって、落ちたらどうしようと思っている、いや落ちることなんか慣れているし、そうそう受からないことはもう今まで嫌というほど理解している。なのに怖いし辛くなる。天井の蜘蛛はいつの間にか消えていた。