先日一緒に旅行したママ友は
「芦屋って山ばっかりやん。だけど私、神戸育ちやし、※夏のあいだはずっと海を見ていたいから、海辺の別荘を借りることにしてん。いや買わへんよ、そんなお金あらへんわ」などとサラリと言う、開業医の奥様だけど
※芦屋にも海はあるし神戸も山はありますがあくまでも彼女の観測範囲
底が見えるほど透き通った海をみて「うわ、深い!こわい!キンタマがひゅんってなる」と叫ぶような人で。
神社では「すごいデカいのがある!」とか言いながら、何とかして祠の中に祀られた男根を模した御神体をカメラに納めようとするような人で。
こういう路地があると、わざと遠回りして道に迷ってしまうような、そんな私の変な性格と気持ち悪さをよく理解してくれる人で。
一緒にいると、楽しくて仕方ない。
たんたんたぬきのキン……
貸切の温泉でカメラを向ける私に、あっさり「別にえーよ」と裸体を撮らせてくれた。色んな話をしてくれた。
けれど私は、彼女に自分の全部は晒せなかった。おっぱいもあそこも、そして心の中も、汚い部分はひたすら隠した。
本当は、本当に、彼女が好きで、もちろん信頼もしているから、何もかも話してしまいたい衝動にかられた。でも、言わなかった。
信じていないからじゃない。
相手を信頼しているからって、自分の全部を晒すのは、エゴだと私は思うから。
結局信頼とは甘えだ。どんな告白をしても、相手が受け止めてくれるというのは、信頼しているというより、相手にそうであってほしいと甘えているのである。
自分はスッキリ告白して、相手に秘密をおしつけて、これからも変わらず私を好きでいてね、と言うのはとても勝手な理屈だ。
けど、反対に、彼女の過去なんかを話して貰えて、私はとても嬉しかった。この人は私を信じてくれている。 今までも好きだった彼女を、もっと好きになった。
なのに私は、自分を全ては見せられない。本当に素敵な友達、知的で美しい人。絶対なくしたくないから。嫌われるのが怖いから。
いつかお婆ちゃんになっても、ずっと仲良しでいられますように。そのとき打ち明けよう、この前言えなかったこと。