競馬場にいってきた。
ゲートでチケットを見せたら、もぎりのお姉さんに
「みきちゃん、今日来ると思たで」
と、声をかけられた。
私はレースの常連客なので顔を覚えられているのだ。
「せやねん、わし、今日のレースに人生かけとるんや、ほな一発当ててくるわ~!」
……とは言ってないし、競馬の常連客なのも嘘だ。
けれど、チケットもぎりのお姉さんが私に声をかけてきたのは事実だ。
なぜなら、阪神競馬場窓口で赤い帽子のコスチュームを着ている女性のうち2人は、私のママ友なのである。
競馬場はとても明るく綺麗な、ファミリー向けの施設だ。
結婚して兵庫県民になるまで、競馬場に行ったことはなかった。
実際に行く前は、もっとこういうオッサンしか居ないと思ってたのだけれど。
JRAで売っている赤いペンを耳にさし、競馬新聞片手にぼやいてるっていう。
確かに、こういうオッサンもいるんだけど、阪神競馬場には芝生や大きな公園もあって、とにかく清潔で授乳室まであり、つまり子連れにもじゅうぶん楽しめる施設なのだ。
そして何より馬がいる。
パドックを悠々と歩く馬は、とても美しい。初めて目の前で馬を見たとき、実際に見もしないで、競馬に悪いイメージを持っていてごめんなさい、と思った。
艶やかな毛並み、隆々とした筋肉の馬が躍動する姿を見られるだけで、競馬場に行く価値はある。
動物園の動物達は、全力では走れないから。
だったら馬の写真撮れよって話なんだけどね。
今日の私の目的は、関西蚤の市、これなのだった。(写真横になっちゃった、ごめんなさい、首を傾けてご覧下さい)
私、お料理好きの、食器好きなのである。
「今日来ると思ったで」の理由は、そういうわけだ。
会場マップ貼っておきますね、ひっくり返っててごめんなさい、どうせ終了したイベントのマップだからいいでしょう。
かなり広範囲にたくさんのお店が出店されていることさえ伝われば。(前々からアップロードした写真が横向いたりひっくり返ることが多くて、なんやねんこの現象腹立つ。)
なんか掘り出し物あればいいなあ、って、思ってたのです。
……が、数分後、手にした皿の値段を見た私がこちら↓
いや、普段300円ぐらいの食器買う人間が行くとこちゃうわ。
なんしか、全体的にオシャレ空間で、びっくりした。一眼レフを持った女子がわんさかいた。確かにインスタ映えは、間違いないと思った。
なめてました、完全に蚤の市なめてた。
まず、どこから沸いてきたのかわからんぐらいオシャレな、意識高そうな親子を大量に見た。
こんなん。
この日は温かかったので、カーディガンを羽織るだけの人も多かったのだが、その中でもこのロングカーデ&ガウチョパンツ、そしてベレー帽ってコーデ、何億回見たか。
ちなみに私個人は、大人でもトイレで難儀するガウチョを、低学年以下の女の子に履かせるつもりはない。
ぜーーーーーーーーーーーったい、トイレの床に裾をこすりつけてくるの、わかりきってるもん。ノロウイルスとか貰ってくるの、目に見えてるから。
あとな、アンティーク、言うたら中古の食器やん、衛生的にも強度もどうなん?とか、そんなん言い出したらキリないし、もっとお手頃やと思ってて。もちろん新品も売ってるんやけどね、もうね、端的に言って、正直私には高かった。
帰る頃には金銭感覚が完全に麻痺していて、二千円の皿が安いな、と思えるようになっていた。
もちろん安いのもたくさんあったよ
まあ、目の保養には十分だった。食器も客層も、オシャレで見ていて楽しかった。
だいたいさ、使い古しの「取っ手」売ってるのを見たの、私、これ西成のドロボウ市場以来やで。なんつーか、すごいテンション上がった!
同じ物を売っているのに、新世界や西成と全然違って見えることに、テンション上がった。
これな。
「オラアアアア!差せ、そこじゃああああ、差せえええええ!!!!」
とか怒鳴って叫んでいるオッサンが、このアンティーク食器の値段見たら、なんて言うんやろとか思った。
「差せー!」の横の広場でこんなオシャレな、ヨーロッパのストリートみたいな。
叫ぶオッサン達のゾーンは、ちなみに上の写真奥の建物の前あたり、ゴールのド真ん前。ここらへん↓
あら
そこから少し離れただけで、このオシャレな古書
ちなみにこの日、競馬場で買った大スポの記事一部。
……あのさあ。
つい先日、私も来年度のPTA三役選挙行ってきたんやけどさあ……。やめてくれるかなこういうの。ほんま何でもエロの世界になるねんな。
↑くちなおしに、インスタばえしそうな画像貼っておきますね。
結局私、この日何にも買わなかった。
なぜなら、夫にも言われたのだけど
「奈良のおじいちゃんの家の蔵、あそこにいっぱい同じような食器とか古い本あるよなあ」って思ったから。
例えば上で4,000円で売られているカメラもつい最近実家の物置で見つけたし、奈良の蔵にはそれこそ古い食器や本がわんさかあるのだ。
この黒い箱と上の皿は、江戸時代のもの。箱は祝いの菓子を入れていたもので、皿は魚料理用だったと祖父から聞いた。このカメラは、いらんから、どなたかに差し上げようと思っている。4千円で売れるとも思えない。
この本は昔の辞書らしい。あとほかにも似たようなのが数巻ある。
まったく商売するつもりはないので、誰か本当に欲しい人に無料でさしあげたいのだが、なかなかそういう場所がない。
蚤の市は、なんか、そういうアンティーク的なものの敷居を無駄に上げてるんじゃないの、と思ってしまった。
この2つの世界の中間ぐらいの蚤の市、希望。