珍獣ヒネモスの枝毛

全部嘘です

アウトレイジはディズニーランド

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アウトレイジ、一言でいえば『○○くんがやったからやりかえしただけやもんねー』みたいな感じのお話だった。あの手この手で、殺す、コロス。

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ヤクザがみんなこうなら話は早いだろう。でも本当は、ちがう。

アウトレイジより前に、「ヤクザと憲法」を私は見ていた。

そこに映し出されるのは、本物の、西成区飛田新地を拠点とする指定暴力団・二代目東組(大阪市西成区)の二次団体である二代目清勇会組長、及び他の組員達の紛うことなき現実の姿なのである。

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この「ヤクザと憲法」を見た人は、きっと全員、自分のなかの“ヤクザ像”のイメージを覆されるはずだ。

そこに映し出されるのは、どちらかといえば、クラスではいじめられっこで、人の輪に入れない、弱々しくすら見える人たちである。これは言い過ぎだろうか?でも私にはそう見えた。実際あの若い人は「学校って、変なやつがおったら、そいつを皆で排除する。そうじゃなくて、どんなやつらも、認めあえる世界に、生きたい」みたいなことを言ってた。

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とはいえ、私は別に、ヤクザを擁護するつもりは無い。当然のことながら、不器用で可哀想なだけの人たちだけの集団ではないのだから。

しかし、この映画を見れば、やくざが特段凶暴で、サイコパスなまでに暴力狂いで、すぐに善良な市民を虐げるような、そんな化け物、私たちとは違う生き物なんかではなく、同じ人間の地続きに彼等がいることに、気付かされたのだった。

 

例えば、ヤクザは子どもを幼稚園に入れられない。携帯電話を持てない。車の売買ができない、などなど。私たちが普通にやれるそれらは全て、法律で禁止されているのだ。

 

それでも携帯電話の契約がしたい場合、どうするか?

カタギの人間の名義を借りる。

すると今度はそれが「詐欺」となる。きちんとお金を払って、欲しい携帯を買う、車を売る、それだけで、罪になるのだ。

 

だったらヤクザなんかやめたらええのに、とは私も見ていて思った。

しかし劇中の言葉を借りると「ここしか居場所ないねん」という人たちがいて、なるべくカタギの人に迷惑かけるでもなく生きていて、それの何があかんの、とも思ったりする。

 

「これな、わしら(ヤクザやから)人権ないんちゃう」組長の言葉。これを聞いた時、ディズニー映画「ディセンダント」を思い出した。

ディセンダントの主役は、おとぎ話の悪役、例えば白雪姫の悪いお妃や、アラジンのジャファーなどの有名な悪者達の娘と息子達だ。

親が悪役なので、子供達も当然生まれたときから忌み嫌われてきた。本人達も、それが当然だと生きてきた、でも、ある日おもての主役達のキラキラ世界に留学させられて、自分達に向けられる差別への疑問をつのらせてゆく……そんな話。

 

例えば親が悪人だから、じゃあ、その子供は、苛めて良いのか。

 

世の中には『こいつは苛めて良いやつだ』と踏まれた瞬間に、壮絶なリンチに遭っている人がたくさんいる。私は、そういう『苛めて良いやつ』にされる人を、主にネットで見かける。その死体蹴りをする人も。

 

そういう考え方について、今一度、見つめ直すきっかけになる、そんな「ヤクザと憲法」だった。

 

あとは、とにかく、アウトレイジは『コノヤロー』言い過ぎ。『バカヤロ、コノヤロ!』ばっかり。悪口の語彙は、関西弁の圧勝やなと、ミナミの帝王チャンネルNECOで全作品録画しまくってハードディスクパンパンにして旦那さんに怒られた私は思う。

関西弁のディスりバリエーションの多彩なことよ。衣装の色もやけど。
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これ、お葬式ファッションですからね。普段より、地味なほうですからね。

 

アウトレイジや、ミナミの帝王哀川翔の修羅シリーズもそうなんだけど、全部ファンタジーなのだ。つまり、ディズニーランドみたいなもので。

あんなヤクザは、本当は、いない。

 

警察である小日向さんが下っぱのチンピラから嘘の供述を引き出すシーンはリアルに吹き出してしまった。冤罪やねんけど、悲劇なんやけど、笑えてしまった。

 

現実は、悪いやつ同士つぶしあってくたばれや、とは、いかない。

 

ヤクザと憲法見たあとでは全てエンターテインメント。

 

指詰め、耳鼓膜破り、舌噛み、上等。

世の中のお母ちゃん達は、ハサミでまんこを切られている。男性はちんこに置き換えてその痛みを想像してほしい。

と、思ったけど、加瀬亮さんの深夜のバッティングセンター。あれ酷かったな。せっかくの、綺麗なお顔が。多分夜通し機械の拷問続いて、肉体的にはもちろん精神が先におかしくなる系かなり怖いわー。

 

ちなみにアウトレイジは、子供のケンカみたいやったけど、2作目ビヨンドのほうは木村との人情絡みの王道ブイシネ展開。

兄弟、兄弟とか言い合って、あんなに兄弟アピールしてるの北斗の拳みたい。


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最後にこの、ミナミの帝王のシーン。これ!

左はブレイク前のはるな愛で、まあそれは良いとして、右側の医者役やってんの、ヤクザと憲法に出てきた山口組の本物の顧問弁護士山之内先生ですよね?!びっくりしたー。

 

あー、ディズニーランド、また行きたい。ディズニーホテルめちゃめちゃ良かった最高でした。