人妻が、美少女との恋愛・肉体関係に溺れ、やがて夫も巻き込み、倒錯した性に溺れる人間模様を描いた物語。日本映画専門チャンネルの録画。
暑い暑い、今日みたいな真夏の日は、脳みそが蕩けて、正常じゃなくなる。こんなふうに暑さでやられた精神状態で見ると、更に身体が熱くなるような映画だった。
人妻の園子(高瀬春奈)は、関西弁の美少女光子(樋口可南子)と出会い、その行為に夢中になる。ずっと、美しいみっちゃんの顔を眺めていたい、みっちゃんが好き。やがて、嫌がる夫をおしきり、3人での共同生活を始めることに。
しかし、若く美しい少女が突然居候してきたのだから、夫は当然少女に劣情を抱く。そして、夫ともなしくずし的に関係を持つ光子。
いつものように、布団をならべて眠る3人。でも、眠れない。私も。俺も。みんなねむれない。
そして、光子はある夜こんな提案する。
「なあ、旅人ごっこせえへん?」
「うちがオオカミになるねん、二人は旅人や。」
まず、園子に襲いかかるオオカミ光子。園子は、オオカミに食われた。
次は、夫。またがり、噛み付き、キスをし、そのまま、もつれ合い。それをくやしそうに見ている妻。思わず、二人に近づく。
すると、光子は
「何してんの。死体は起き上がったらあかんやろ、はよ、死にや」と冷たく言い放つ。
「私のこと、噛み殺すときは、あっさりだったわね」と悔しそうで、悲しそうな園子。
夫と光子が結ばれた古い空き家で、まぐわう光子と園子。ふとしたきっかけで、夫と光子がそこで通じていたことを悟る。捨てないで、お願い、すがり泣く園子。
その日の夜、新しい“ごっこ遊び”を提案したのは妻のほうだった。
「今夜は警察ごっこしない?」
赤いロープで縛り上げられる夫。問い詰める妻。おとなしく、おだやかだった園子が夫を蹴る、殴る。また殴る。顔を覆う夫。逃げるな、追う光子と園子。
なんだこれ、なんだこれ、この感情のもつれ合い。
どこに、どのキャラに、自分を置いたらいいんだ。
共感も自己投影も難しい、でも、どの気持ちもすごくわかる気もする。そして、そんな3人のやりとりに、興奮する。
「人を愛して、その人だけのものでいたいと思っても、そんなん実践できひんわ。」
「男はんの、射精いうのは、どのくらいのもんなんか。(よその夫と結ばれた)うちの身体、喜んでしまいよってん」
やめて!叫ぶ妻。
お互いに問い詰めあう3人。
夫「どんなことを二人でしたのか言ってみろ」
光子「夫婦生活はどうだったのか」
妻「私は、夫が寝入ってから一人でします、みっちゃんとの事を想像しながら」
次々入れ替わる、責める側、責められる側。
そして突如告白される、ある事実。
絵画のように美しいシーンも多い。樋口可南子が牛乳を床にぶちまける場面が、私は一番好き。一瞬だけ映る、歪んだ花瓶が印象に残る 。
とにかく、この作品は、樋口可南子が可愛くて、綺麗で、小悪魔で、魅力的。樋口可南子の華奢で骨が浮き出た身体と、肉感的で巨乳な人妻の身体の対比がまた良い。
私はヘテロなので、こんな状態におかれたら、この若くて美しい少女に嫉妬する。
しかし、園子は、夫に嫉妬するのだ。
私の可愛いみっちゃんと、セックスしやがって、と。
わからん、その気持ち、わからんわ、わからんけど、でもどこかでわかってしまう気もする。
私も夫に聞いてみた。もし、私が美少女と浮気したらどうする?と。そんなん、離婚やで、と、ピシャリと言われた。美少女でもなんでも、そんなことしたら、離婚や、と。うん、わかりやすいな、この人は。そしてこわい。
ところで、ウィキペディアにこんなん書いてる
妻とのノーマルな愛の生活を望む園子の夫・剛までが、女二人の関係にひきこまれて、異常なセックスのるつぼにのめりこんでいく。レズビアンに始まって、文字通り卍(まんじ)がらみの官能関係に発展、三人の男女は破滅と背中合わせで身を焦がし続ける。
から、てっきり3Pするんかと思ってハラハラしながら見ていたんだけど、それは無かった。オオカミと旅人のくだりで、そういうシーンになるのかと身構えたんだが、無かった。良かった。いや、カマトトぶるわけじゃなくて、なんか3Pは苦手で、見たくなかったから。
代わりにあの「警察ごっこ」だもの、こちらのほうが、よっぽど心理的にエロい。
あと谷崎潤一郎といえば、阪急夙川駅前のダイエー地階。西宮市の、谷崎潤一郎ゆかりの写真などが飾ってある。あんまり興味なかったけど、こんどまた見てみよう。