化粧品を買うときは、よく考えよう



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人を裏切るのには体力がいる。

 
しかし、裏切り続けるのは案外容易なのかもしれない。つまり、はじめの一歩を踏み出してしまうまでの葛藤と、その一歩の重みさえ越えてしまえば、あとはもう、あれよあれよと物事が動き始めるのだ。

ちょうど、エアコンの消費電力と同じだ。スイッチをオンにする瞬間が、一番電気代がかかるので、エアコンはつけたり消したりせず、いったん電源を入れたら一日中運転しておくほうが、節約になるのだとかいうあの理屈。
 
チャンネルNecoで映画「紙の月」を見た。
銀行の契約社員である宮沢りえ(既婚者という設定)が、浮気相手の大学生に貢ぐために、銀行の金に手を出す話。
 
夫を裏切ることも、帳簿の誤魔化しも、初めは震えるほどの葛藤と罪悪感であったことだろう。
 
この主人公の初めの一歩はどこからだろう。スイッチがオンになり、モーターが動き始めたのはいつからだろう。200万円の架空手形をきったあの日か。大学生とホテルに行くために、自宅方向へ向かう電車と反対側のホームに降りたあの日か。
 
いや、始まりは、クリニークの化粧品を買うために、足りなかった一万円、その1枚の万札を客からの預金で賄ってしまったあの日だ。
 
しょうもない男に全て捧げ、人生を破滅させた阿呆で哀れな女だと言ってしまえばそれまでだ。
 
ただ、ろくでもないこの大学生の男子は、初めは本当にただ宮沢りえのことが好きで、純粋に恋をしていたと思えた。そう思いたい。
 
しかしお金は、人の心を幸せにして、不安にして、狂わせてゆく。
 
ラスト、小林聡美宮沢りえの対峙シーンが良かった。小林聡美は、真面目一徹みたいなお局銀行員なわけだが、彼女は、宮沢りえの犯罪を知って、取り乱し責めることはしなかった。そして、宮沢りえに「うらやましい」とさえ言った。破滅した目の前の女。これから逮捕され、地獄の待つ女。だけど、だけど。
 
人の心を壊すほどの大金を盗み、好きな男に身も心も金も全部捧げる、そんな痛快なこと、気持ちの良いこと、私には、想像さえ出来なかった、私の出来ないこと、全部あなたはやったんでしょ、その世界を見たんでしょ。
そんな小林聡美の気持ちは、よくわかる。わかってしまう私は、きっと、罪を犯せない人間だ。そう思いたい。
 
それにしても、クリニークのライン買いで一気に四万の会計とか、それもどうなんよと本筋とずれたとこで引っかかってしまった。
一式買うにしても、@コスメとかのクチコミちゃんと調べたのかしら。クリニークは、グロスとマスカラは殿堂入りしていたけど、パウダーならローラメルシエとか、あとはファンデならリキッドでRMKとか、メイクじゃなくて基礎化粧品だったにしても百貨店で買うなら各メーカーの一番売れ筋でちょこちょこ揃えたら良いのに、まあ外回りの営業の帰りに買い物することは私も毎日やってたし、あんまり紙袋をたくさん持って帰るとサボっていたのバレバレで出来ないけどさ。 
紙の月

紙の月

 
宮沢りえの儚げな美しさに、釘付けになる。私の中の儚げ三大美人は、宮沢りえ木村多江石田ゆり子である。