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海と月、はやいはやい新幹線のぞみ


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昼から図書館に行かなければ。ここ最近ずっと娘と一緒に読んでいた、新幹線の絵本。夜眠る前に、二人で毎夜空想の中の東海道を旅した。そうしているうちに、もう返却期限をすぎてしまっていたのだった。

寝かしつけには、毎日色んな本を読む。物語に昔ばなし、星や花の図鑑などなど。「1日5冊以上読み聞かせしてくださいね」とは娘が通う幼児教室の先生の言葉なのだが、寝る前だけとなると、二冊読み終える頃には娘がスヤスヤ眠ってしまっている。かといって日中に読みだすと、気に入った同じ本を何度もエンドレスで読まされるのでキツい。

自然や生き物に興味を持って貰えればと思って読む虫の図鑑は、掲載写真が気持ち悪くて、私はページをさわるのさえ嫌なのだが、親が虫を嫌がる姿を見せてはいけないと思い、頑張って読んでいる。とはいえ眉間にしわ寄をせながら、ページを決して直視はしない。“シデムシ”など、外見プラスその生態(動物の死体に群がる)自体が大変禍々しく、紙の写真を触れるのもおぞましい。そんな私の姿が娘には面白いらしく、わざと「ママ、ゴキブリのとこ読もうよ、ゴキブリの写真見せてよ」と嬉しそうに笑うのだった。まったく、嫌な子。でも可愛い子。

私のお気に入りは、海の図鑑である。特に深海のページに心を奪われる。深海生物も不気味ではあるが、あまりにも風貌が地上の生命体とはかけ離れているので、逆に面白い。海の図鑑で読んで驚いたのは、まだ人類が海のなりたちや生物について分かっていることは、とても少なく、解明されている事象は惑星月の方が多いのだということ。

宇宙の月より地球上の海のほうが実は謎に満ちているなんて、ロマンあるなあ。ベッドの中で、私が「へー」とか「ほー」なんて一人で熱中してしまってる間に、たいてい娘は横で寝息をたてている。私は布団にくるまれ異世界に思いを馳せる。深海も、月も、新幹線の行く先も、私にとっては同じぐらい遠い。

そして、虫の図鑑を見ながらいつも思う。次に生まれ変わるなら、ゴキブリとかシロアリとか南京虫とかダニとか、そういう、どこからともなく涌いてきて生命力の強い、そして存在するだけで人間を不快にさせるような、しかもすぐ殺されるやつになりたいな、と。この地球で生きるには、どう生まれてもしんどいけれど多分人間が一番しんどいし、憎らしい生き物だと思うから。だから次はサクッと生まれて、嫌な人間をギャッと驚かせてからサクッと死にたい。